Amapolaを捧げて
21世紀の現在において、日本人らしい日本人を見つけることは困難だ。
それも、日本の女性の中に、見つけ出すことは、とても難しい。
きっと、僕は、古い考え方の人間なのだろう。
それでも、絵に描いたような日本の女性像と出会えたことは、偶然のような
いいえ、Waiihaという存在が導いた奇跡と言うしかありません。
古風というわけではないが、東京の香りが漂う「白黒映画」のヒロインは、
芯が強くて、凛としていて、奥ゆかしくて、控えめな女性。
特に前に出なくても、モダンで理知的な容姿に、育ちの良さがうかがえた。
そんな、日本人の鏡のような女性が、夜空の彼方に向かってしまった。
Waiihaの開店当初から、お世話になっていた尊敬できる大切な方でした。
ママよりも、六つも下のお嬢様は、とても着物がお似合いのお茶の先生でも
ありました。そんなお忙しい方なのに、Waiihaの歌舞伎講座も皆勤賞でした。
「ハワイアンバンド」でウクレレとヴォーカルを担当していて、
昼Waiihaの常連バンドは「演奏会」という目標を定めて、練習を繰り返す。
演奏会では、手作りの「アロハシャツのコースター」を配る「お心遣い」。
ご主人様の奏でるスチールギターの音色をとても大切にしていて、
ご夫婦で「バッキー白片」さんを神のように尊敬しておりました。
その美しい女性を花で例えることは難しい。
煌びやかな花ではなく、派手な花でもない。
そこにいるだけで、可憐な雛芥子(ひなげし)のような女性でした。
僕は、こんなにも愛おしく誰かを想ったことはないけど、
今夜は、彼女のためだけに「Amapola」をウクレレで奏でてみよう。
そんな僕をハワイアンの夢の中からこれからも見守ってくれているだろうと
祈りながら…。
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