THE POLICE
とにかく、朝から風が強すぎる。
飛ばされないように雨戸を閉めて、
短編小説の書き出しの一行を悩んでいる。
悩んでいるのか「ぼー」っとしているのか。
つけっぱなしのTVからは、「警察ドラマ」が流れている。
「この時間帯は、ママが大好きな警察ドラマの時間だよな。」
「みんな警察ドラマが好きだから、同じのまたやってるよ。」と、
半ばしらけて部屋の中を眺めていたら、うつろな僕の目の端っこに、
小さな円筒形が姿を現した。
ほこりに包まれた未開封の円筒形の中身が今日はとても気になった。
「お、おっとコレは!」
景品やおまけにしては、精巧な仕上がりだ!
「カッケーじゃん、パトカー!」
風のおさまらない午後
いつの間にか僕は「刑事ドラマに出てくる少年」のような瞳になっていた。
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