町のカメラ屋さん
今回の修理にかかる時間は実際分からない。
もう一度、こいつの本来の役目が復活するのかも分からない。
僕には頼りになるおじさんの店がなくなってしまったからだ。
-PETRI COLOR35- 1970年3月に発売されたレトロなカメラ。
僕が生まれた1972年は、町の商店街に活気があった。
映画館も銭湯も駄菓子屋も元気だった。
「スクールゾーン」と書かれた移動式看板で、
下校時、商店街は車両進入禁止になっていた。
この商店街で僕の大好きだった店は小さなカメラ屋さんだった。
フィルムを買って、カメラの背を開けて、セッティングする。
その全ての工程を僕はカメラ屋さんのおじさんに教わった。
後は、被写体をレンズにおさめてシャッターを押すだけだ!
フィルムがいっぱいになると現像をお願いに行く。
数日してお店に向かうと長細い紙のケースが渡される。
中身は写真とネガフィルム。
「うまく撮れているかな?」心配になりながら家に帰って確認する訳だが
いつでも「ヨシ!」と言えるのは数枚だったものだ。
それでも、その全てがワクワクしていた。
感動して撮ったにもかかわらず失敗してしまった写真たちも大切な思い出。
さぁ!この僕より先輩のカメラを復活させてみようかな。
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