電話の前には発声練習
「ダイアル回して手を止めた~。」
僕が生まれた頃は、家には必ず「黒電話」があった。
僕が生まれた頃は、店先には「赤電話」があった。
僕が生まれた頃は、喫茶店には「ピンク色の電話」があった。
駅の構内にも、道路の沿いにも「うす緑色の電話」があった。
僕が電話を意識し始めた頃は、黒電話から「プッシュホン」に移行し始めた頃で、
電話がかかってくると必ず「名字」を伝えていた。
そんな家で、同級生の女の子の家に連絡する時は、とても緊張した。
ダイアルを回しながら、咳払いをして、声にもならない発声練習をしてしまうものだ。
たかだか、学校の行事を伝えるだけなのに…。
「○○様のお宅ででしょうか。」この一声で、すべてが左右する。
相手のお父様が出ないことを心の底から強く祈る!
「あ~。宮原君。」と、同級生の声が受話器から聞こえてきたら、何故だか、
僕は勝ったような気分になっていた。
同世代の男の子「アルアル」だよね!でも何処か良い時代だったとも思う。
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