Waiiha History【立志編】
Waiihaが6人体制時代の頃。
ロコモコとか、ポキとかハワイ料理が、メニューにあった頃。
僕は仕事を辞めた。そして、鉛筆も絵筆も止めた。
理由は簡単だった。
「この店に、すべてを賭けようと思った。」
ただ、それだけだった。
実際、僕には何もできない。
ハワイアン音楽も知らない。ハワイ料理もハワイ語も知らない。
「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」の繰り返し。
あまりにも、自分の無力を知りすぎて、開店前のむなしい時間、
店のギブソンを手に取っていた。
コードは適当に知っている。ピックを摘み「F」を弾いてみる。
当然のことハイコードで、そのままスライドして「G」と、
心むなしく弾いている。
そのうち、怒りを込めて何度も何度も弾いていた。
そんな僕の姿を見ていたのが、
Waiiha開店時から常勤していたチャックワゴンボーイズの
スチールギターの恩ちゃん(恩田義彦)だった。
「久宗君は、セーハ出来るんだったら。ウクレレだね。」
そして、ウクレレのハイコード「G」と「Ⅾ₇」と「Am」の
3つのポジションを教えてくれた。
紛れもなく、僕のハワイアン音楽の入り口は、この時だった。
とてつもない、厳しさと優しさ。怒りと孤独。もう戻れない。
紛れもなく、僕は、このウクレレから自分の道を歩きはじめた。
『Kamakaのパイナップル』ビンテージだぜ。
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