ひと時の青空
日本を襲う「10年に1度の大寒波」。首都圏厳戒!
『不要不急の外出控えて』とニュースが流れている。
それでも、23日(月)の午前9時発のバスに乗るため
北千住駅に向かって歩き出していた。
10月の終わりから毎週月曜日は、何がなんでも絶対に
行かなければならない場所がある。その向かう先とは
僕が「東京23区なのに、文化遺産的な陸の孤島」と、
呼び親しんでいる「郷愁たっぷりの町」ではあるのだが、
豊島奉行の命により、ある厄介な任務を告げられた。
簡単に言えば「見守り」役人である。
最終バスまで、付き添うことが「同心」の役目である。
それでも、この日は厳しかった。涙が出るほどね…。
懐の「十手」を握る手も、かじかんじゃうよ。
『観測史上最強クラスの寒波』の夜。
結局のところ、最終バスには乗れなかったので、島内の
別邸で一泊をする。凄まじい暴風が雨戸を殴りつける。
自転車が倒れる音、救急車のサイレンの音が、屋内まで
響き渡っている。
一人では広すぎる古風な家で凍えるように朝を迎える。
「婿殿と 声かけてくれる 人もなし」良い句だ!
翌日の24日(火)午後1時頃。見守り役人は家を出る。
「寒いな~」と言いながらも、黒羽織が寒風に揺れる。
『お江戸の遊び人 新さん』を中心に、今後を語らう。
本日のお勤め完了の時刻は、午後9時を過ぎていた。
仕方ない。別邸でもう一泊するか。夜道を歩く同心の心模様。
「婿殿と 猫なで声も 懐かしや」良い句じゃ。
明け方の極寒に気が付くことなく、次の朝を迎える。
疲れ果てて午後まで眠る。『午後ロー』をボーっと見ながら
再び眠る。妻君が帰って来るまで何もしたくないなぁ。
最終バスで「千住宿」に向う用意を適当にする。寒い!
寒風に煽られながらも「オリオン座」を見つけて笑いあう。
そして、今日の午後5時頃。夜に近づく空を見上げる。
「あっ!風が止んでいる。綺麗な空だな」と思った。
澄みわたる空を見ながら、僕は不思議に笑っている自分に
気がついた。どんなに困難な日も、とても辛い体調の日も、
過ぎれば昨日なのだ。世紀末だって過ぎれば昨日なのだ!
僕は、胸を張って伝えたい!
「僕は、ストイックな馬鹿で良かった」と、心底思った。
身勝手に確証もないのに、夢の続きでも描きますか~♪
「ロマンあふれる童心をポケットに入れて。」
ちゃん。ちゃん♪
0コメント