お土産を買う

明日のお土産は、何にしようかな？

ふたりで、悩むことしばらくして、駅ビルに向かうことにした。

「行ってらっしゃ～い。」と彼女の明るい声を置き去りにして、

傘を差して、小雨の降るアーケードを歩く。

雨の夜だというのに、駅前は人があふれている。

夜の町にネオンが輝いている。そして、僕は傘を閉じて、

駅ビルに入った。とりあえずフロアーの案内図を見てから

ゆっくりと「喜田家」に向かうことにした。

お土産は、直感が肝心だ。目に見えぬ引力に導かれるように。

ショーケースに並んでいる色とりどりの和菓子たち。

これぞ、日本の誇る芸術品だね。美しく、おくゆかしい。

気がつくと、ひとつの商品の前で、僕は立ち止まっていた。

『足立姫』足立民話記念菓。羽二重餅だ。

僕は、悩みもせず、躊躇もしないで、ひと箱を購入した。

明日は、久しぶりに、おじさんと、大好きなおばさんに会う。　

おふたりとも、喜んでくれるかな。それより、おふたりとも、

元気なら嬉しいな。そうです。元気な笑顔が一番大切なもの。

明日は晴れる。太陽のオアシスだ。みんなが元気なら最高だ！